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IT導入補助金(現・デジタル化・AI導入補助金)はホームページ制作に使える?誤解されやすいポイント
補助金情報
2026.08.15 | 読了目安: 16分

IT導入補助金(現・デジタル化・AI導入補助金)はホームページ制作に使える?誤解されやすいポイント

「ホームページをリニューアルしたいが、IT導入補助金は使えるのだろうか」——大阪府内の経営者様からのご相談で、このテーマは非常によく登場します。実際に「IT導入補助金ホームページ制作対象外」というキーワードで検索すると、対象外という情報ばかりが並び、申請自体を諦めてしまうケースも少なくありません。しかし対象外になりやすいのには明確な理由があり、その理由を理解した上でリニューアルの内容を工夫すれば、対象になりうる可能性も出てきます。本記事では、IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠等を含む、以下同制度)がホームページ制作にどこまで使えるのか、誤解されやすいポイントとあわせて解説します。

この記事の要点

  • IT導入補助金は、単なる情報発信用のホームページ制作は原則対象外になりやすい制度です。
  • 予約・問い合わせ管理などの業務効率化機能を組み込んだITツール一体型の制作であれば、対象になりうる可能性があります。
  • 対象要件・補助率・申請枠は年度・公募回により変動するため、申請前に必ず公式サイトで最新情報を確認する必要があります。

IT導入補助金とは?ホームページ制作は対象外という噂は本当か

結論から言うと、単なる会社紹介や店舗紹介のためのホームページ制作は、IT導入補助金の対象外になりやすいのが実情です。ただし、これは「ホームページというジャンルが一律にNG」という意味ではなく、制度の趣旨に沿っていない内容の場合に対象外と判断されやすいということです。

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が業務効率化や売上向上につながるITツールを導入する際の経費の一部を補助する制度のことです。会計・受発注・決済・顧客管理など、業務プロセスを効率化するソフトウェアの導入を主な対象としています。名称や申請枠(通常枠、デジタル化基盤導入枠など)は年度・公募回によって再編されることがあるため、最新の制度名・申請枠は必ずデジタル化・AI導入補助金の公式サイト(制度概要)で確認してください。

なぜホームページ単体は対象外になりやすいのか

IT導入補助金は「業務プロセスの効率化」を目的にしたITツールの導入支援という性格が強い制度です。会社案内や商品紹介だけで完結する一般的なホームページは、業務効率化の要素が薄いと判断されやすく、対象外になりやすい傾向があります。この点が「ホームページ制作には使えない」という誤解につながっている大きな要因です。

IT導入補助金ホームページ制作対象外になりやすい典型パターン

対象外と判断されやすいのは、名刺代わりの会社紹介サイトや、デザイン変更のみのリニューアルなど、機能面の効率化要素を伴わない制作です。ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。

パターン1:会社紹介・商品紹介にとどまるサイト

会社概要や商品ラインナップの掲載を目的としたホームページは、情報発信としては重要ですが、業務プロセスの効率化には直結しないため対象外と判断されやすい典型例です。

パターン2:デザイン刷新のみのリニューアル

見た目の古さを解消したいという動機自体は自然なものです。5年間更新していないホームページのリスクや、開設当初の設計不足が招く機会損失については、私たちのブログでも取り上げています。ただし、こうした「デザインを一新するだけ」のリニューアルは、IT導入補助金の対象としては認められにくいケースが多いのが実情です。

パターン3:機能追加を伴わない単純な更新作業

文章や写真の差し替えといった軽微な更新作業も、業務効率化のITツール導入とは性質が異なるため、補助対象として認められにくい領域です。

制作会社のデスクでノートPCに表示された予約フォームのデザイン案を確認している様子

ホームページ制作でも対象になりうる条件とは?

予約受付、問い合わせ管理、顧客対応の自動化など、業務効率化につながる機能をホームページに組み込む場合は、IT導入補助金の対象として認められる可能性が出てきます。判断のポイントを表にまとめました。

制作内容対象外になりやすい例対象になりうる例
サイトの目的会社案内・商品紹介のみ予約・問い合わせ業務の効率化を伴う
組み込む機能特になし(静的な情報掲載のみ)予約フォーム、問い合わせ管理、顧客対応の自動化ツール等
制作の狙い見た目・デザインの刷新業務プロセスの効率化・生産性向上

予約・問い合わせ管理機能を組み込んだリニューアルの例

実際、問い合わせフォームを設置していても反応がないというお悩みは非常に多く、フォームの設計や導線に原因があるケースについて別記事でも解説しています。IT導入補助金の対象となりうるITツール一体型のリニューアルでは、単にフォームを置くだけでなく、問い合わせ内容の自動振り分けや対応状況の管理まで含めた設計にすることが重要なポイントになります。

店舗の受付カウンターでスタッフがタブレットの予約管理システムを操作している様子

弊社事例:予約導線を意識した機能設計

私たちが大型サイト制作を手がけた福岡市のつむぐクリニック様(産婦人科)の事例では、デザインの再現度に加えて、来院予約への導線を意識した設計を重視しました。この案件自体はIT導入補助金の活用事例ではありませんが、「予約・問い合わせといった業務プロセスに直結する機能をどう組み込むか」という視点は、IT導入補助金の対象になりうるホームページ制作を考える上でも参考になる考え方です。

申請前に確認しておきたいチェックポイント

申請を検討する際は、以下の点を事前に確認しておくと手戻りを防げます。制度の詳細は年度・公募回によって変わるため、必ず最新の公式情報とあわせてご確認ください。

チェック項目確認すべき内容
申請枠制作内容がどの申請枠の対象になりうるか(年度により再編されるため要確認)
IT導入支援事業者の関与制度上、登録されたIT導入支援事業者経由での申請が必要になる場合がある
ツールの機能要件予約・問い合わせ管理等、業務効率化につながる機能が要件を満たしているか
補助対象経費の範囲制作費・システム利用料等、どこまでが対象経費に含まれるか
公募スケジュール公募開始・締切・交付決定までの期間(年度・回により変動)

小規模事業者持続化補助金でホームページ制作費用はどこまで賄えるかなど、ほかの補助金制度とホームページ制作費の関係についても別記事で解説していますので、あわせてご確認ください。補助金ごとに対象となる制作内容の考え方が異なるため、比較しながら検討することをおすすめします。

補助の対象になるのは制作費ではなく登録済みのITツール

ここまで「業務効率化につながる機能を組み込めば対象になりうる」とお伝えしてきましたが、制作会社に相談する前にもう一段だけ知っておいていただきたい構造があります。この制度で費用を見てもらえるのは、ホームページの制作費そのものではなく、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用だという点です。2026年の制度であるデジタル化・AI導入補助金2026の公募要領(通常枠)にも、補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする、と明記されています(「2−2(1)補助対象経費」/2026年8月31日確認)。

登録済みのITツールとはどういうものか

登録済みのITツールとは、IT導入支援事業者が事務局へ登録申請を行い、審査を経て登録されたソフトウェア・サービスのことです。公式のITツール登録要領では、登録できるソフトウェアの要件として、「業種」「業務範囲」「業務機能」等の仕様を明確に定義して開発され、一般に販売が開始されていることが挙げられています(2026年8月31日確認)。

そのうえで同じ登録要領には、ITツール登録の対象外となるものも列挙されています。製品が完成しておらずスクラッチ開発を伴うソフトウェアや、特定の顧客向けに限定され一般市場に販売されていないものは、対象外と明記されています(「2−3(1)2. ITツール登録の対象外となるもの」の(ク)(サ)/2026年8月31日確認)。さらに同項では、ホームページ制作・サイト制作の制作ツールのうち追加開発に掛かる費用が含まれるもの、ホームページと同様の仕組みのもの、広告宣伝に類するものや広告宣伝費用が含まれるものも対象外として挙げられています。ただし同じ条項には、既に完成していて追加開発に係る費用が含まれていない制作ツールや、分析機能・指示機能・演算処理・制御などのプログラムは登録の対象になる、というただし書きも付いています。つまり「予約機能を付ければ対象になる」のではなく、「登録されている予約システムを導入するかどうか」が判断の軸になります。登録されている支援事業者とITツールは公式サイトの検索ページで誰でも調べられるため、検討中のツールが載っているかを先に見ておくと判断が早まります。

制作会社がIT導入支援事業者とは限らない

IT導入支援事業者とは、ITツールの導入と補助事業の遂行を支援する事業者として、事務局への登録申請と審査を経て採択された事業者のことです。申請は、この支援事業者と申請者が協議しながら共同で内容を作成し、申請者から事務局へ提出する形で進みます(2026年8月31日確認)。つまり、ホームページの相談先として選んだ制作会社がこの登録を持っていない場合、その会社と組んだままでは申請の入口に立てない、ということになります。デザインや制作の力量とは別の軸で決まる部分なので、見積を依頼する段階で「IT導入支援事業者としての登録があるか」「登録済みのどのツールを提案してもらえるか」の2点を確認しておくと、あとから進め方を組み直す手間を避けられます。

見積は補助の対象と自己負担に分けて考える

この構造をふまえると、リニューアルの見積は「補助の対象として想定されている部分」と「自己負担として見込んでおく部分」に分けて眺めるのが現実的です。目安として整理すると次のようになります。

見積に含まれる項目補助の対象としての扱い
事務局に登録済みのITツールの導入費用対象として想定されている(枠・要件を満たす場合)
サイトのデザイン・ページ制作の費用対象外(補助対象経費が登録済みITツールの導入費用に限られるため)
1社向けに一から作る個別開発の費用対象外(特定の顧客向けに限定され一般市場に販売されていないものとして明記)

補助の対象になるかどうかを分けるのは、業種そのものではなく、どの業務をどのツールに任せるのかという設計の部分です。私たちが大阪市内の印刷・製版業であるDTPセンター様のリニューアルを手がけた事例では、Web経由の新規問い合わせが加わったことに加えて、依頼フローのデジタル化によってリードタイムの短縮につながりました。この案件自体は補助金の活用事例ではありませんが、「サイトを作ること」と「これまで人手で回していた業務をデジタルに寄せること」を分けて考える視点は、補助の対象になりうる範囲を見極めるうえでも役に立ちます。

また、通常枠の補助率は2分の1以内(一定の要件を満たす場合は3分の2以内)とされており、対象になった費用でも全額が戻るわけではありません(2026年8月31日確認)。サイト本体の制作費は自己負担として見込んだうえで、ツール導入の部分にどこまで補助を充てられるかを考える順序をおすすめします。

なお、ここで挙げた登録の条件・経費の区分・補助率は、年度や公募回によって見直されることがあります。実際に申請を検討する段階では、必ず公式サイトの最新の公募要領で確認してください。

まとめ:この記事のポイント

  • 会社案内・商品紹介にとどまるホームページは対象外になりやすい
  • 予約・問い合わせ管理等の機能一体型リニューアルなら対象になりうる
  • 対象要件・補助率は年度で変動するため必ず公式サイトで確認する

IT導入補助金は「ホームページ制作には一切使えない」制度ではなく、「単なる情報発信用サイトには使いにくい」制度と理解しておくと、リニューアル計画の立て方が変わってきます。予約や問い合わせ対応の効率化まで見据えたリニューアルを検討している方は、一度制作内容を整理した上で、公式サイトの最新要件と照らし合わせてみてください。

よくある質問

IT導入補助金とデジタル化基盤導入枠は同じ制度ですか?

A. デジタル化基盤導入枠は、IT導入補助金の中に設けられた申請枠の一つとして運用されてきた経緯があります。申請枠の名称・区分は年度・公募回により変更されることがあるため、申請時点の公式サイトで最新の制度構成を確認してください。

ホームページのSEO対策費用だけでも対象になりますか?

A. SEO対策単体は情報発信・集客の強化を目的とした施策であり、業務プロセスの効率化を主目的とするIT導入補助金の対象としては認められにくい傾向があります。予約・問い合わせ管理等の機能とあわせて検討することをおすすめします。

予約システムを別途契約した場合、その費用も対象になりますか?

A. 予約システムのようなITツールの導入費用は、IT導入補助金の対象になりうる代表的な経費区分です。ただし対象となるツールや上限額は年度・公募回により異なるため、契約前に必ず公式サイトの対象経費区分を確認してください。

IT導入支援事業者を通さず自分で発注しても申請できますか?

A. 制度上、登録されたIT導入支援事業者を通じた申請が必要になる運用が一般的です。発注前の段階で、IT導入支援事業者としての対応可否を制作会社に確認しておくとスムーズです。

採択されなかった場合、制作費用はどうなりますか?

A. 補助金は交付決定前に契約・発注した経費が対象外になる場合や、そもそも不採択になる可能性がある制度です。採択を前提に制作費用の全額を見込むのではなく、不採択時の資金計画もあわせて検討しておくことをおすすめします。


予約・問い合わせ機能を組み込んだリニューアルのご相談

私たちCROSS PEAKSは、大阪エリアを中心に、デザイン刷新だけでなく予約受付・問い合わせ管理といった機能まで組み込んだホームページリニューアルの制作支援を行っています。補助金の活用可否は個別の審査次第ですが、「どういう機能を組み込めば業務効率化につながるか」というご相談から承っています。まずはお気軽にご相談ください。

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