ホームページを作りたいけれど、制作費用がネックで踏み出せずにいる中小企業・個人事業主の方は少なくないのではないでしょうか。小規模事業者持続化補助金は、販路開拓に取り組む小規模事業者を支援する制度で、ホームページ制作・作成にかかる費用の一部を賄える可能性があります。ただし、補助対象になる範囲には上限が設けられており、制作費用の全額をカバーできるわけではありません。本記事では、持続化補助金ホームページ制作費用がどこまで対象になるのかを、2026年公開の公募要領を参照しながら整理し、申請時に押さえておきたいポイントを解説します。なお、補助率・上限額・申請期間は年度・公募回により変動するため、本記事は執筆時点の公募要領をもとにした一般的な解説としてご覧いただき、詳細は必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
この記事の要点
- 持続化補助金ホームページ制作費用は「ウェブサイト関連費」として対象になりますが、2026年5月公開の第20回公募要領では補助金額の上限が30万円(税込)とされており、制作費用の全額は賄えません。
- ウェブサイト関連費だけを単独で申請することは認められておらず、チラシ・広告・設備など他の経費区分と組み合わせて申請する必要があります。
- 補助率・上限額・受付期間は公募回ごとに見直されるため、申請前に必ず中小企業庁・商工会議所の公式サイトで最新の公募要領を確認することが重要です。
小規模事業者持続化補助金とは?ホームページ制作は対象になるのか
小規模事業者持続化補助金とは、地域の商工会議所・商工会の支援を受けながら販路開拓に取り組む小規模事業者の経費の一部を補助する制度で、ホームページ制作費用も一定の条件のもとで対象経費に含まれます。対象となる「小規模事業者」には従業員数の要件(業種により常時使用する従業員が5人以下または20人以下など)があり、個人事業主も含まれます。ただし、後述するとおり対象範囲には上限があり、制作費用であれば何でも補助されるわけではありません。
対象経費の一区分「ウェブサイト関連費」
小規模事業者持続化補助金の対象経費には、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費といった区分があり、ホームページ制作やECサイト構築などは「ウェブサイト関連費」という区分に整理されます。ただしこの区分は、他の経費区分と比べて上限額や申請方法に特別な制限が設けられている点に注意が必要です。
ウェブサイト関連費だけの単独申請はできない
ウェブサイト関連費は、単独で補助金申請の経費全額を占めることが認められておらず、必ず他の経費区分と組み合わせて申請する必要があります。「ホームページを作るためだけに申請する」という使い方は想定されていない制度設計になっており、この点を知らずに検討を始める事業者の方も少なくありません。
持続化補助金ホームページ制作費用はどこまで補助対象になる?
制作費用の全額が補助されるわけではなく、「対象経費として認められる範囲」「ウェブサイト関連費に設定された補助金額の上限」「補助率」の3つを踏まえて考える必要があります。2026年5月27日に公開された第20回公募要領では、ウェブサイト関連費として交付申請できる補助金額は30万円(税込)が上限とされています。
対象になりやすい費用・なりにくい費用の目安
| 区分 | 対象になりやすい例 | 対象になりにくい例 |
|---|---|---|
| 制作費用 | サイト設計・デザイン・コーディング費用 | 既存サイトの日常的な更新作業のみの費用 |
| 原稿・素材費 | 掲載用の写真撮影費・原稿作成費 | 既存の社内資料を流用するだけの費用 |
| 運用関連費 | 補助事業期間内の初期設定費用 | 補助事業終了後にかかる月額の保守・更新費用 |
上記はあくまで一般的な傾向であり、詳細な線引きは公募要領・年度によって変わります。申請前に必ず商工会議所・商工会や公式サイトで最終確認をしてください。
ウェブサイト関連費の上限は公募回ごとに見直されている
ウェブサイト関連費の上限ルールは固定ではなく、公募回によって変わっています。第19回公募までは「補助金交付申請額の4分の1(上限50万円)」という割合で上限が定められていましたが、第20回公募要領では「補助金交付申請額で30万円(税込)」という定額の上限に変更されました。あわせて広報費にも同じく30万円(税込)の上限と単独申請不可のルールが設けられています。
| 項目 | 第19回公募まで | 第20回公募(2026年5月27日公開) |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の4分の1(上限50万円) | 補助金交付申請額で30万円(税込) |
| ウェブサイト関連費のみの申請 | 不可 | 不可 |
計算上の目安として、補助率が3分の2の場合、ウェブサイト関連費で補助金30万円を受け取るには45万円(税込)分の対象経費が必要になり、それを超える制作費用は自己負担になります。「ホームページ制作費用の大半を補助金で賄う」という前提ではなく、「制作費用の一部を補助してもらいつつ、他の販路開拓施策とあわせて計画する」という捉え方が現実的です。チラシやGoogleマップ対策(MEO)、LINE公式アカウントの構築など、他の施策と組み合わせて計画する考え方は、以前の記事「補助金でMEO対策とLINE公式アカウントを同時に整える方法」で解説しています。
補助率・補助上限額の目安(第20回公募要領の例)
第20回公募要領では、補助率は3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)、補助上限額は通常50万円で、インボイス特例に該当すると50万円、賃金引上げ特例に該当すると150万円、両方に該当すると200万円が上乗せされるとされています。申請受付は2026年11月5日から12月15日17時までと案内されていますが、商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)の発行受付には別途12月4日という締切が設けられている点にも注意が必要です。これらの数値・日程は公募回ごとに見直され、公募要領の改訂で変わることもあるため、申請を検討する際は必ず中小企業庁公式サイトの小規模事業者持続化補助金ページと、第20回公募要領の公開ページで最新情報を確認してください。
持続化補助金でのホームページ制作が向いているのはどんな事業者か
弊社が支援してきた案件の傾向を踏まえると、持続化補助金を活用したホームページ制作が向いているのは、サイトがまだ存在しない、あるいは認知がほぼゼロの状態からスタートする事業者です。
弊社の支援実績にみる傾向
弊社が支援してきた案件の傾向として、これまで手がけた制作実績のうち約4分の1は、サイトがそもそも存在しない・認知度がほぼゼロに近い状態からのスタートでした。こうした事業者に共通していたのは、広告費に大きく依存せず、SEOやMEO経由で問い合わせにつながる導線を作ることをゴールにしていた点です。小規模事業者持続化補助金が想定する「販路開拓」の考え方とも重なる部分が大きく、サイトを持たない事業者が新規制作に踏み出す後押しとして補助金を活用する意義は大きいといえます。フリーランス・個人事業主の方がホームページを持つ意義については、以前の記事「個人事業主・フリーランスがホームページを持つメリット」もあわせてご覧ください。
弊社の制作実績:NOBORIBA(株式会社Koinobori)様の事例
法人向け研修サービスを展開するNOBORIBA(株式会社Koinobori)様も、サイトが存在せず認知ゼロの状態からのご依頼でした。研修メニューが複数あり、内容の伝え方に難しさを抱えていましたが、新規制作を通じて広告費に頼らずSEO経由の問い合わせ体制の土台を構築しています。ゼロから制作に踏み出す際は、こうした「まず土台を作る」という考え方が参考になります。

補助金を使ったホームページ制作で失敗しないためのポイント
補助金を活用する場合は、通常の制作以上に「申請のタイミング」「資金計画」「制作会社選び」の3点に注意が必要です。
チェックリスト
| No. | チェック項目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 交付決定前に契約・発注していないか | 一般的に交付決定前の契約・発注は対象外になりやすい制度設計のため、着手時期は必ず事前に確認する |
| 2 | 商工会議所・商工会の確認を受けているか | 持続化補助金は地域の商工会議所・商工会の支援を受けながら申請を進める運用で、事業支援計画書(様式4)の発行には申請締切より早い期限が設けられることが多い |
| 3 | 複数の制作会社から見積もりを取っているか | 相見積もりが求められる場合が多く、金額の妥当性を説明できる状態にしておく |
| 4 | 補助対象外の費用や上限超過分まで補助前提にしていないか | 保守・更新費用など補助事業終了後の運用費用は対象外になりやすく、ウェブサイト関連費の上限(第20回は30万円)を超える分は自己負担になる前提で資金計画を立てる |

「とりあえず作る」ホームページにしない
補助金を活用する場合でも、申請のしやすさを優先するあまり内容が薄いサイトになってしまっては本末転倒です。以前の記事「『とりあえず作った』ホームページが機会損失を生む理由」でも触れているように、目的や伝えたい強みが整理されていないまま作られたサイトは、公開後の機会損失につながりやすい傾向があります。補助金を使う・使わないにかかわらず、制作の目的を明確にしておくことが重要です。
公開後の検索・AI検索対応まで見据えて依頼する
せっかく補助金を活用して新規にサイトを作るのであれば、公開後に生活者や検索エンジン・AI検索から見つけてもらえる設計まで見据えておくことをおすすめします。AI検索エンジンに引用されやすいサイトづくりの基礎知識は、以前の記事「AIO・LLMO・GEOとは?中小企業が知っておきたいAI検索対策の基礎知識」で解説しています。
補助金はいつ振り込まれる?入金と、公開後に求められる報告
小規模事業者持続化補助金は、補助事業が完了したあとに補助金を受け取る「精算払い(後払い)」の制度です。つまりホームページ作成にかかった費用は、いったん全額を自社で制作会社に支払う必要があり、補助分が手元に戻ってくるのはそのあとになります。補助金というと「いくら出るのか」に目が向きがちですが、実際の準備段階でつまずきやすいのは、この入金のタイミングと支払いのタイミングのズレです。
交付決定から入金までのお金の動き
手続きは、交付決定を受けてから補助事業(ホームページの発注・制作・公開)を実施し、完了後に実績報告書を提出、事務局の確認を経て補助金額が確定し、確定通知を受けたうえで精算払を請求する、という順序で進みます。段階ごとにお金がどう動くのかを整理すると、次のようになります。
| 段階 | 主な手続き | この時点でのお金の動き |
|---|---|---|
| 申請〜交付決定 | 申請・審査・交付決定 | この段階ではまだ発注しない |
| 補助事業の実施期間中 | 発注・制作・公開・支払い | 制作費は全額を自社で支払う |
| 補助事業の完了後 | 実績報告書の提出・事務局の確認 | 補助金はまだ入金されない |
| 補助金額の確定後 | 確定通知を受けて精算払を請求 | 請求手続きを経て補助金が入金される |
あわせて注意したいのが、発注から納品・支払いまでを補助事業の実施期間内に終える必要があるという点です。制作が長引いて期間内に完了しなければ、その費用は補助の対象として認められない可能性があります。ホームページ作成は、打ち合わせや原稿・写真素材の準備で想定より時間がかかりやすい仕事です。依頼する制作会社には「補助金を使うこと」と「実施期限がいつか」を最初に伝え、公開時期と請求のタイミングを逆算して進行を組んでおくと安心です。
補助事業が終わったあとにも「効果報告」がある
もう一つ見落とされやすいのが、補助金を受け取ったあとの報告です。小規模事業者持続化補助金では、補助事業の実施期間が終わったあとの一定期間を対象に、事業の効果(賃金引上げ特例・賃上げ加点・卒業加点で申請した場合は、あわせて賃金引上げの状況)を報告する仕組みが設けられています。報告の対象期間は、事業実施期間の終了日の属する月の翌月からおおむね1年間とされ、その期間が終わったあとに交付規程の様式第14「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」で提出する運用です(本記事執筆時点の第20回公募要領・交付規程で確認。様式や提出期限は公募回により変わり得るため、採択後は事務局からの案内でご確認ください)。
この仕組みがあるということは、補助金でホームページを作る場合、公開して終わりにはできないということです。1年ほど先に「このサイトが販路開拓にどうつながったか」を自分の言葉で説明する場面がやってきます。アクセス解析やサーチコンソールの設定、問い合わせフォームに「どこで当社を知ったか」を尋ねる項目を入れておくといった準備は、公開の時点で済ませていないと、あとから遡って集めることができません。制作を依頼する段階で、こうした計測まわりの設定を見積もりに含めてもらうことをおすすめします。
弊社の制作実績:COBOLERS様の事例
効果を報告する場面を見据えると、成果の指標をアクセス数だけに置かないほうが現実的です。ニッチな領域でIT人材マッチングを手がけるCOBOLERS様の新規制作では、企業側と利用者側の双方に伝わる設計をどう組むかが課題でしたが、検索ボリュームは小さくても成約率の高い問い合わせを獲得できる状態を目指す方針で進めました。小規模事業者のサイトは、そもそも検索する人の母数が限られており、アクセス数が何倍にも伸びるとは限りません。それでも「どんな相談が届くようになったか」「そのうち何件が商談に進んだか」であれば説明できます。申請時の計画にもこの考え方で目標を書いておくと、公開後の運用と、あとから求められる効果報告の内容が食い違わずに済みます。
まとめ:持続化補助金ホームページ制作費用の考え方
- ウェブサイト関連費には補助金額の上限(第20回公募要領では30万円・税込)があり、制作費用の全額は賄えず、単独申請も認められない
- 交付決定前の契約・発注は対象外になりやすいため、着手のタイミングと様式4の発行締切に要注意
- 補助率・上限額・受付期間は公募回ごとに見直されるため、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認する
小規模事業者持続化補助金は、ホームページ制作費用の負担を軽減できる可能性がある一方、対象範囲や申請の順序を誤ると想定通りの補助が受けられないこともあります。制度の詳細は必ず公式サイトで確認したうえで、制作の目的や進め方について専門家に相談しながら準備を進めることをおすすめします。
よくある質問
持続化補助金でホームページ制作費用は全額賄えますか?
A. いいえ、全額を賄えるわけではありません。ウェブサイト関連費には補助金額の上限があり、第20回公募要領では30万円(税込)とされています。また、ウェブサイト関連費だけでの申請は認められていません。上限額や補助率は公募回により変動するため、申請前に公式サイトで最新情報を確認してください。
ホームページを先に作ってから申請しても大丈夫ですか?
A. 一般的に、交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外になりやすい制度設計です。着手のタイミングは必ず事前に確認し、申請から交付決定までの流れを踏まえてから制作会社に発注することをおすすめします。
個人事業主でも申請できますか?
A. 小規模事業者持続化補助金は個人事業主も対象に含まれる制度です。ただし業種ごとに従業員数の要件があるため、詳細は公式サイトで確認してください。
申請には商工会議所・商工会のサポートが必要ですか?
A. はい、地域の商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、その発行受付には申請締切より早い期限が設けられるのが一般的です。早めに相談窓口へ連絡しておくと準備を進めやすくなります。
ホームページ制作以外にはどのような費用が対象になりますか?
A. 対象経費には機械装置等費・広報費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費などの区分があり、ウェブサイト関連費はその一部です。具体的な区分や上限は公募回により変わるため、公式サイトの公募要領で確認してください。
補助金の活用も見据えたホームページ制作ならCROSS PEAKSへ
CROSS PEAKSでは、大阪エリアを中心に中小企業・個人事業主のホームページ制作を支援しています。補助金の対象範囲の考え方を踏まえた見積もり作成のご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。なお、補助金の採択可否・審査に関するご相談は商工会議所・商工会の窓口が主担当となります。

