「まずはホームページ1ページで公開して、余裕ができたら増やしていきたい」——初めてホームページを持つ経営者様や個人事業主様から、こうしたご相談をよくいただきます。実際、開業や事業の立ち上げ直後から何ページもある立派なサイトを用意する必要はありません。ただし、同じ「1ページで始める」でも、あとから増やせる形になっているかどうかで、その後の作業量は大きく変わります。本記事では、大阪エリアで実際にホームページ制作を支援してきた私たちの実務の視点から、1ページで始めても作り直しにならないための土台の作り方を解説します。
この記事の要点
- ホームページは1ページで始めても問題ないが、増やす前提を最初に決めておくかどうかで、あとの作業量が大きく変わる。
- 更新頻度が異なる情報(お知らせ・プライバシーポリシーなど)は、1ページ運用の段階から別ページとして独立させておくと、増やすときに構成を作り直さずに済む。
- ページを増やすタイミングは、伝えたい情報が1ページに収まらなくなった時、または特定のテーマで検索から来てもらいたくなった時が目安になる。
「まずは1ページで十分」が、あとで作り直しになる典型パターン
1ページのホームページ自体は、決して悪い選択ではありません。伝えたいことが絞られていて、訪問者にとっても迷いにくいというメリットがあります。問題が起きるのは、「今は1ページで十分だから」という理由だけで、将来ページを増やす可能性をまったく考えずに作ってしまった場合です。トップページの中に会社概要・サービス内容・お知らせ・プライバシーポリシーまですべてを1つのページの中の見出しとして詰め込んでしまうと、あとから「サービスごとに個別ページを作りたい」「お知らせだけ別に一覧化したい」と思っても、既存の文章構成を丸ごと解体してから作り直すことになります。
「とりあえず作った」ホームページが機会損失を生む理由でも触れているとおり、ホームページの設計は「今すぐ必要なもの」だけで決めてしまうと、あとになって想定外のコストを生みます(「とりあえず作った」ホームページが機会損失を生む理由)。1ページで始めること自体は問題ではなく、「増やす前提を最初に決めていたかどうか」が、その後の作り直しの有無を分けます。
「あとから増やせる土台」とはどんな設計か
「増やせる土台」とは、見た目は1ページのまま公開しつつ、裏側の構造(ページの分け方・URLの決め方)だけを、将来増やすことを前提にあらかじめ決めておく設計を指します。訪問者から見える画面は変わらなくても、制作側があらかじめ「ここは将来独立させる前提の情報」と「ここは1ページの中にとどめる情報」を仕分けておくことで、実際にページを増やす段階での作業が、ゼロからの再構成ではなく追加作業で済むようになります。
経営コンサルティング会社様の事例:ホームページ1ページの裏側で先に分けていたもの
私たちが大阪市中央区の経営コンサルティング会社様のホームページを新規制作した際、公開時点のトップページは、訪問者が判断に必要な情報を1ページに収めた構成でした。しかしその裏側では、プライバシーポリシーとお知らせを、公開当初から独立した別ページとして切り出しておく設計にしていました。お知らせについては、公開したばかりの時点ではまだ更新する内容がほとんどない状態でしたが、「今後増えていく情報」として最初からトップページの本文とは別の場所に置いています。結論として、最初から大きく作り込むのではなく、あとで広げる余地だけを残しておく、という考え方です。

小さく始める前に決めておきたい3つのこと
その経営コンサルティング会社様の事例のように、1ページで始めながらも増やせる土台にしておくためには、公開前に決めておくとよいポイントがあります。3つに整理します。
更新頻度が違う情報は、最初から別ページにしておく
Googleも技術者向けの案内の中で、「ディレクトリ(フォルダ)を使って類似のトピックをまとめていると、各ディレクトリ内のURLが変更される頻度をGoogleが学習しやすくなる」とし、更新頻度が異なるコンテンツを別々のディレクトリに分けるとそうした効果があるとしています(Google Search Central:SEOスターターガイド)。これは数千ページ規模の大きなサイト向けの案内ですが、考え方は1ページのサイトにも応用できます。お知らせのように今後更新頻度が上がっていく情報を、最初から本文とは別の場所(別ページ)に置いておけば、更新が増えたときにサイト構成そのものを作り直す必要がありません。
URLの構造を先に決めておく
1ページ運用の間であっても、将来増やす可能性があるページ(サービス詳細、事例紹介など)のURLの構成だけは先に仮決めしておくことをおすすめします。あとから思いつきでURLを決めてしまうと、すでに育っているトップページからのリンクや、名刺・SNSに記載したURLとの整合性を取り直す手間が発生します。最初にURLの構造を決めておけば、公開するページが増えても、既存のリンクを変更せずに済みます。
1ページの中身は、セクション単位で区切っておく
1ページの中であっても、内容ごとにセクションを明確に区切り、見出しを立てておくと、将来そのセクションを独立ページに格上げする際に、文章を一から書き直す必要がなく、そのまま移植できます。セクションの境目があいまいなまま書いてしまうと、あとで切り出す段になって「どこからどこまでが1つのまとまりか」を判断し直すところから始めることになります。
| 観点 | 増やす前提がない1ページ | 増やせる土台がある1ページ |
|---|---|---|
| お知らせ・更新系の情報 | トップページの本文に混在させる | 公開当初から別ページとして独立させておく |
| URLの構成 | 増やす段階になって初めて決める | 公開前に将来分のURLも仮決めしておく |
| 本文の区切り方 | ひと続きの文章として書く | セクション単位で見出しを立てて書く |
| ページを増やす作業 | 既存の構成を解体してから作り直す | 区切ってあった部分を独立ページへ追加する |

ページを増やすタイミングをどう見極めるか
増やせる土台を用意しておいても、実際にいつページを増やすべきかで迷うことがあります。判断の目安になるのは、次のようなサインです。
- 取り扱うサービスや事例が増え、1ページの中の1セクションでは伝えきれなくなってきた
- 特定のサービス名や困りごとのキーワードで、検索から直接来てもらいたいテーマが出てきた
- お問い合わせの内容が、特定のテーマに偏るようになってきた
逆に言えば、これらのサインが出るまでは、無理にページを増やす必要はありません。個人事業主・フリーランスの方がホームページを持つ場合も、最初から情報量を追い求めるのではなく、必要になった時点で広げていく考え方が現実的です(個人事業主・フリーランスがホームページを持つメリット)。
まとめ:この記事のポイント
- ホームページ1ページで始めること自体に問題はなく、増やす前提を最初に決めていたかどうかが、あとの作業量を左右する
- 更新頻度が違う情報(お知らせ等)を最初から別ページにしておくと、更新が増えても構成を作り直さずに済む
- URLの構成とセクションの区切りを先に決めておけば、実際にページを増やす作業は解体ではなく追加で済む
「まずは1ページで始めたいが、あとで作り直しになるのが怖い」という方は、公開前に増やす前提の設計を一度検討してみてください。これからホームページ制作の準備を始める方は、何から決めればよいかを整理した記事もあわせてご覧ください(初めてのホームページ制作で失敗しないための準備リスト)。紹介や名刺交換が中心の会社様の場合は、1ページの中身の考え方が異なる部分もあるため、あわせてご確認ください(紹介や名刺交換で仕事が来る会社に、ホームページは必要か)。
よくある質問
1ページのホームページでも、検索から見つけてもらえますか?
A. 会社名や店舗名など、すでに認知されているキーワードでの検索には対応できます。一方で、特定のサービス名や困りごとのキーワードで新規の見込み客に見つけてもらいたい場合は、そのテーマに特化した個別ページを用意したほうが有利になることが多いです。
後からページを増やす前提で作ると、最初の制作費は高くなりますか?
A. 増やす前提の設計は、URLの決め方やセクションの区切り方を意識するだけであり、公開するページ数自体は1ページのままです。制作費への影響は制作会社や案件ごとに異なるため、見積もり時に「将来ページを増やす可能性がある」ことを伝えたうえで確認することをおすすめします。
お知らせやブログは、1ページ運用の段階から用意しておくべきですか?
A. 更新する内容がまだ無い段階であっても、お知らせを本文とは別ページとして先に切り出しておくことは有効です。実際にその経営コンサルティング会社様の事例でも、公開当初はお知らせの更新がほとんどない状態から、独立したページとして用意していました。
ページを増やす作業は、自分でもできますか?
A. WordPressなどの更新しやすいシステムで構築していれば、ページの追加自体は可能な場合があります。ただし、既存ページとのデザインの統一やURLの整合性を保つ必要があるため、公開前に一度確認を挟むと安心です。
1ページからのホームページ制作のご相談
CROSS PEAKSでは、大阪エリアの中小企業様・個人事業主様のホームページ制作を、まず1ページで始めたい方にも対応しています。増やす前提の設計にしておくことで、事業の成長にあわせて無理なくページを追加できます。まずはお気軽にご相談ください。

