
「あいさつメッセージは設定したけれど、そこから先は手が止まっている」というご相談を、LINE公式アカウントの運用支援の中でよくいただきます。友だち追加した直後にあいさつメッセージを送るところまではできても、その後の数日間をどう設計すればいいか分からず、結局は思いついたときに単発でメッセージを配信するだけになっている状態です。この記事では、あいさつメッセージからLINEステップ配信までを一つの流れとして組み立てる考え方を解説します。
この記事の要点
- あいさつメッセージは「最初の1通」、ステップ配信は「その後の数日〜数週間に何をどの順番で送るか」を設計する機能で、役割が異なります。
- 友だち追加直後の数日間は最も関心が高いタイミングであり、ここでの接触の質がその後の反応率を左右します。
- ステップ配信は「友だち追加」を開始条件にし、1〜30日の範囲で待機日数を設定しながら複数のメッセージを自動配信できます。設計の基本パターンと仕様上の制約を押さえれば、新しく友だち追加した人ごとに手動で配信する手間がなくなります。
あいさつメッセージとステップ配信、役割はどう違う?
あいさつメッセージとは、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加した際に送られる最初のメッセージのことです。LINEヤフー for Businessの公式マニュアルでは「ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加した際に、メッセージを送ることができる機能」と説明されており、アカウントの紹介やキーワード応答への誘導などに使われます。
一方、ステップ配信とは、友だち追加などの条件をきっかけに、あらかじめ用意した複数のメッセージを決めた間隔で自動配信できる機能のことです。公式マニュアルは「友だち追加したユーザーに対して、あらかじめ用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信できる機能」と定義しています。
つまり、あいさつメッセージは「最初の1通」を担当し、ステップ配信は「その1通から数日〜数週間の間に、何を・どの順番で送るか」を担当します。あいさつメッセージだけを設定して終わっている状態は、最初の挨拶はできても、その後の関係づくりを配信者の手作業に任せてしまっている状態だと言えます。
なぜ「友だち追加直後の数日間」が重要なのか?
友だち追加の直後は、ユーザーの関心がもっとも高いタイミングです。何らかのきっかけ(店頭のQRコード、検索、紹介など)があって追加した直後であり、ここで何も配信しなければ関心は時間とともに下がっていきます。
弊社が支援してきた案件の傾向としても、「友だちを増やす施策」よりも「すでに友だちになっている相手にどう配信を届けるか」を見直すほうが、着手が早く反応も早いという傾向が見られます。友だち数を増やす施策は印刷物の準備や店頭での声かけなど、外部の工程を伴うため動き出すまでに時間がかかりますが、すでに友だちになっている相手への配信は、シナリオさえ組めば翌日から動かすことができます。配信が長く止まっていた店舗様で配信を再開したところ、その日のうちに具体的な相談が入ったケースもありました。友だち追加直後の数日間を設計しておくことは、この「今いる友だちに届ける」施策の中でも、もっとも反応が得やすい部分です。なお、友だち数そのものを増やす店頭での導線づくりについては、「LINE友だち追加を促す店頭導線のアイデア集」で別途まとめています。

あいさつメッセージで最初に伝えるべきこと
ステップ配信の設計に入る前に、あいさつメッセージの役割を整理しておきます。あいさつメッセージは最大5つの吹き出しまで設定できます。この枠の中で、次の3つを最低限伝えておくと、その後のステップ配信が受け取ってもらいやすくなります。
- 何を発信するアカウントか(お店・会社の名前と、どんな情報が届くのか)
- 友だち追加した人にしか届かない特典や情報があること(クーポン、限定メニューの案内など)
- 次に何が届くのか、簡単な見通し(「この後、〜についてのご案内が届きます」等)
なお、あいさつメッセージで友だちの表示名を含めたメッセージを設定する場合、公式マニュアルには「友だちの表示名を含むメッセージは、LINE公式アカウントと友だちでないユーザーやプライバシーポリシーに同意していないユーザーなどには送信されないことがある」との記載があります。表示名を使った親しみやすい文面は効果的ですが、全員に同じ体験を保証する機能ではないという前提は押さえておきましょう。
LINEステップ配信のシナリオ設計:何日目に何を送るか
ステップ配信を組むときは、まず「あいさつメッセージの後、何を・いつ送るか」の大枠を決めてから、実際の配信内容を作り込むと設計がぶれません。業種を問わず使いやすい基本パターンを3段階に分けてご紹介します。
1段階目:あいさつメッセージ直後(友だち追加当日)
あいさつメッセージ1通だけで終える場合も多いですが、ここでクーポンや特典を既に案内している場合は、ステップ配信側の初手は「使い方の補足」に留めておくと、同じ日に情報を詰め込みすぎずに済みます。
2段階目:数日後(信頼を積む)
特典やお得情報だけを連続で送ると「売り込み」として受け取られやすくなります。この段階では、お店や会社の強み、こだわり、よくある質問への回答など、「売る」以外の情報を1通挟むことで、次に特典を案内したときの受け取り方が変わります。
3段階目:1〜2週間後(行動を促す)
ここまでの接触を経たうえで、来店・予約・問い合わせなど、具体的な行動を促すメッセージを配置します。あいさつメッセージ1通だけの状態と比べ、段階を踏んだ分だけ「初めて見る案内」ではなく「知っているお店からの案内」として受け取ってもらいやすくなります。
この「最初は情報、その後に行動を促す」という順番は、弊社が支援した教育業の会社様の事例にも共通しています。この会社様は新規サービスの立ち上げ時にWebコンテンツがゼロの状態からのスタートでしたが、広告からランディングページへ誘導し、そこで獲得した友だちにLINEの自動配信で段階的に情報を届ける、という一気通貫の集客導線を構築しました。手動で都度配信するのではなく、あらかじめ順番を決めたシナリオとして自動化しておくことで、新しく友だち追加が発生するたびに同じ質の接触を再現できる状態にしたのです。
ステップ配信を組む前に知っておきたい仕様
シナリオの大枠が決まったら、実際の設定に入ります。ステップ配信の公式マニュアルによると、組む際に押さえておきたい仕様は次のとおりです。
| 設定項目 | 仕様 |
|---|---|
| 開始条件 | 「友だち追加」または「オーディエンス」から選択 |
| 追加経路の指定 | QRコード・検索など、対象とする追加経路を選択できる |
| 次のステップまでの待機日数 | 1〜30日の間で設定 |
| 配信できる内容 | テキストに加え、絵文字・友だちの表示名・アカウント名などを挿入可能 |
| 作成できる数 | ステップ配信の作成上限は50件、ステップ数は1ルートにつき10個まで、1つのステップ配信につき100個まで |
待機日数は最短でも1日単位でしか設定できないため、「追加当日の午前と午後で別のメッセージを送る」といった細かい時間指定はできません。1日1通を基本単位として、どの日に何を送るかを決めていく設計になります。

よくある失敗と対策
ステップ配信を組む際、次の2つの失敗はよく見られます。
- 特典の案内だけを連続で送ってしまう:短期的には開封されても、売り込みの印象が強くなり、ブロックにつながりやすくなります。情報提供の回を1通以上挟むことをおすすめします。単発のクーポン配信の作り方は「リピート率を上げるLINEクーポン配信の作り方」で詳しく解説しています。
- ステップの数を増やしすぎる:1つのステップ配信に100個まで設定できますが、数を増やすほど内容の管理や見直しが大変になります。まずは3〜5通程度の短いシナリオから始め、反応を見ながら増やしていく方が運用しやすいでしょう。
まとめ:この記事のポイント
- あいさつメッセージは「最初の1通」、ステップ配信は「その後の数日〜数週間の設計」という、別の役割を持つ機能です。
- 友だち追加直後の数日間は関心が最も高いタイミングであり、情報提供→行動を促す、という順番でシナリオを組むと受け取られ方が変わります。
- ステップ配信は開始条件・待機日数(1〜30日)・作成上限といった仕様上の制約があるため、まずは短いシナリオから組んで運用しながら調整するのがおすすめです。
あいさつメッセージからステップ配信までを一つの流れとして設計することは、友だち追加後の体験を仕組みとして再現できるようにすることです。まずは短いシナリオから組んでみて、配信を重ねながら内容を調整していくことをおすすめします。
よくある質問
あいさつメッセージとステップ配信は同時に使えますか?
A. はい、別々の機能のため同時に設定できます。あいさつメッセージで最初の1通を送り、その後の流れをステップ配信で設計するのが基本の組み合わせです。
ステップ配信は何日目まで設定するのが目安ですか?
A. 業種や目的によって異なりますが、まずは1〜2週間程度、3〜5通程度のシナリオから始めるのがおすすめです。反応を見ながら通数や期間を調整していく方が運用しやすくなります。
ステップ配信を使うのに別途料金はかかりますか?
A. ステップ配信はLINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)の標準機能として提供されています。利用しているメッセージ配信プランの範囲内で設定できます。プランごとの配信数の考え方については、「LINE公式アカウントの料金プランの選び方と配信数の考え方」でも解説しています。
配信を始めてすぐに効果が出なかったらどうすればいいですか?
A. 最初のシナリオで完成形を目指す必要はありません。まずは短いシナリオを動かしてみて、どの配信で友だちの反応(クリックや来店)が得られているかを確認しながら、内容や通数を調整していくのが現実的です。
友だち追加の導線づくりから配信シナリオの設計まで、CROSS PEAKSのLINE公式アカウント集客支援でまとめてご相談いただけます。
LINE公式アカウントの運用でお困りの方へ
あいさつメッセージからステップ配信まで、友だち追加後のシナリオ設計を一緒に考えてほしいという方は、CROSS PEAKSまでお気軽にご相談ください。業種に合わせたシナリオの組み立てから配信内容の作成まで、運用の仕組み化をサポートします。