
ChatGPTやGeminiなどの生成AIで、ブログ記事やメルマガ、SNS投稿、お客様への案内文を書く機会が増えています。一方で、「AIが書いた文章をそのまま公開してしまい、あとから内容の誤りに気づいた」という声も耳にするようになりました。文章としての読みやすさと、公開しても安心な内容になっているかどうかは別の問題です。本記事では、AIが書いた原稿を公開前に確認する「AI文章チェック」の仕組みを、私たちCROSS PEAKSが自社ブログの制作で実際に運用している体制をもとにご紹介します。
この記事の要点
- AIが書いた文章の確認は、書いた本人ではなく別の人が行うことで見落としが減ります。
- 確認すべきは文章の表現ではなく、数値・固有名詞・手続きの順序といった「事実として間違えられない部分」です。
- 指摘が出たときは、その場で直してよいものと、立ち止まって人が判断すべきものを分けておくと運用が続きます。
なぜAIが書いた文章は「読んで自然」なだけでは公開できないのか?
生成AIの文章は、読んで違和感がないことと、内容が事実として正しいことが別の軸にあるため、「読んで自然」なだけでは公開できません。
文章としての完成度と、事実の正しさは別の軸
生成AIは文法や言い回しが自然な文章を作るのが得意なため、内容そのものに誤りがあっても気づきにくいという特有の落とし穴があります。むしろ文章が整っているほど、読む側は「きちんと調べたうえで書かれている」と錯覚しやすくなります。私たちが自社ブログの記事制作でAIを使う際も、この「整っているからこそ見落としやすい」という前提を最初に共有したうえで、確認の仕組みを作っています。
誤りが紛れやすいのは「変わりやすい情報」と「手続きの順序」
誤りが特に紛れやすいのは、料金や営業時間のように変わりやすい情報と、手続きの順序や制度の名称のように前後関係を取り違えやすい記述です。たとえば「手続きAのあとに申請する」という内容を「申請のあとに手続きAをする」と逆に書いてしまっても、文章としては自然に読めてしまうため、読み手も書き手もその場では気づきにくいという特徴があります。
AI文章チェックは「誰が」行うべきか?
AIが書いた文章の確認は、執筆した本人ではなく、別の人が行う体制にすることが基本です。
書いた本人の確認だけでは見落としが残る
生成AIが作る下書きは、人が手直ししたような不自然な言い回しが残らないため、文章のどこが「AIが文脈から補って書いた部分」なのかが見た目では分かりません。数値や固有名詞、手続きの順序について、AIが実際には裏付けを取らずに文脈上それらしい内容を埋めてしまっても、文法上の違和感が生じない以上、執筆した本人が読み返すだけでは気づきにくいという特有の落とし穴があります。私たちが自社ブログの制作でチェック担当者を執筆者と分けているのは、人数を増やすこと自体が目的ではなく、「AIが埋めた可能性のある部分」を元資料と照合する作業を、書いた本人の思い込みから切り離して行うためです。実際にこの工程で、AIが文脈だけで整えた手続きの順序の誤りや、本文内の記述が途中で矛盾している箇所を検出し、公開前に修正したことが何度もあります。
担当者が1人の場合は「書く日」と「確認する日」を分ける
専任の担当者を置けない場合、同じ人がすぐに読み返しても「AIが文脈だけで埋めた部分」はなかなか見分けられません。そこで、書いた直後にそのまま公開せず、別の日に時間を空けてから、AIが生成した数値・固有名詞・手続きの順序を元資料と照合するという作業そのものを行うことが、担当者を分けられない場合の代わりになります。重要なのは日を空けること自体ではなく、「AIがそれらしく埋めた部分はどこか」を意識して読み直す視点を持つことです。

何を確認すべきか?事実確認が必要な記述の見分け方
確認すべきなのは文章表現の良し悪しではなく、「事実として間違えられない部分」です。大きく分けると、次の3種類に整理できます。
| 分類 | 具体例 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 動かせない事実 | 料金・営業時間・日付・固有名詞 | 自社の最新情報と1つずつ照合する |
| 手続きの順序や名称 | 制度の申請フロー、各段階の名称 | 公式ページの記述と突き合わせる |
| 外部の制度・サービス仕様 | 補助金の要件、プラットフォームの仕様 | 所管機関・運営元の一次情報で裏取りする |
外部の制度やサービス仕様に触れる場合は一次情報で裏取りする
補助金の申請フローや各種プラットフォームの仕様など、自社の中に答えがなく外部に正解が存在する内容は、AIの記憶だけに頼らず、公的機関や運営元の公式ページで確認してから書く必要があります。私たちは自社ブログでこうした内容に触れる際、確認した一次情報の出典を記事ごとに記録として残し、公開前のチェックで本文の記述と突き合わせる工程を設けています。出典を記録に残しておくと、あとから同じ記述を見直す人が、一から調べ直さずに済むという利点もあります。Googleも検索センターの公式ガイドラインで、検索順位の操作を主目的にAIで生成したコンテンツを量産することはスパムポリシー違反になると明記しており、自動化が担った役割を開示することが読者の理解に役立つとも述べています(Google検索センター「有用で信頼できる、人を第一に考えたコンテンツの作成」)。AIを使うこと自体が問題なのではなく、公開前に事実を確認する体制があるかどうかが問われているといえます。
指摘が出たとき、その場で直してよい場合と立ち止まるべき場合
確認で出た指摘をすべて同じ重さで扱うと、軽微な指摘のたびに作業が止まってしまいます。指摘の性質によって対応を分けておくことが欠かせません。
表現やフォーマットの指摘はその場で直す
誤字や言い回し、体裁の崩れといった指摘は、気づいた人がその場で直して先に進めて問題ありません。
事実の誤りは1回だけ直して再確認する
本文の記述そのものが事実と違っていた場合は、正しい情報を確認したうえでその場で修正し、もう一度確認の工程に戻すというルールにしています。ただし、同じ修正を何度も繰り返すべきではありません。私たちは「その場での修正は1回まで」と決めており、1回直しても疑義が残る場合は、そこで止めて人が判断する段階に進めます。回数の上限を決めておくことで、「直したつもりが直っていない」状態のまま公開してしまう事態を防げます。
企画そのものが成立していない指摘は、立ち止まって人が判断する
記述の誤りではなく、「そもそもこの内容で発信してよいのか」というレベルの指摘が出た場合は、その場で直そうとせず、人が判断するまで公開を保留します。事実確認の精度に関わる疑義や、実例として使ってよいかどうかの判断が必要な指摘がこれにあたります。

自社でもできるチェックリストの作り方
確認の仕組みを属人化させないためには、チェック項目を「見る順番」でリスト化しておくことが有効です。
項目は「見る順番」で並べる
チェックリストは項目を思いつくままに並べるのではなく、実際に確認する順番どおりに並べておくと、担当者が変わっても同じ手順で確認できます。「数値・固有名詞の照合」→「手続きの順序・名称の確認」→「外部制度に触れている箇所の出典確認」→「表現・体裁の確認」という順にしておくと、事実に関わる部分を先に、表現の調整をあとに回す流れが自然にできます。
チェックした記録を残しておく
何を確認し、どこを直したかを簡単にでも記録しておくと、同じ間違いを繰り返さずに済みます。私たちは公開前の確認で見つかった指摘と対応内容を記事ごとに記録しており、これが次の記事を書くときのチェックリスト自体の見直しにもつながっています。
まとめ:この記事のポイント
- AIが書いた文章の確認は、執筆した本人ではなく別の人が行うのが基本です
- 確認対象は数値・固有名詞・手続きの順序など「事実として間違えられない部分」です
- 指摘は性質で分け、事実の誤りは1回だけ直して再確認し、企画が成立しない指摘は人が判断します
AIが書いた文章を安心して公開するために必要なのは、AIの使い方そのものよりも、公開前に人が確認する仕組みです。まずは「書いた人以外が一度見る」というシンプルな体制から始めてみてください。
よくある質問
AIが書いた文章は、どこまで手を加えれば公開して問題ありませんか?
A. 数値・固有名詞・手続きの順序など、事実として間違えられない部分を執筆者以外が確認し、誤りがないことを確かめたうえで公開することをおすすめします。表現の自然さだけでは公開の基準にはなりません。
確認担当が1人しかいない会社でも、この仕組みは作れますか?
A. 作れます。書いた直後にそのまま公開せず、別の日に読み返す時間を挟むだけでも、本人確認による見落としを減らせます。重要なのは「書いた直後とは違う視点で見る」という条件です。
AIが書いた文章の確認で、特に見落としやすいのはどんな記述ですか?
A. 手続きの順序や制度の名称のように、前後を取り違えても文章として自然に読めてしまう記述です。料金や営業時間のような変わりやすい情報とあわせて、優先的に確認してください。
確認で指摘が出た場合、どこまで自分たちで直してよいですか?
A. 誤字や表現の指摘はその場で直して問題ありません。事実の誤りはその場で1回だけ修正して再確認し、それでも疑義が残る場合や企画自体の妥当性に関わる指摘は、立ち止まって人が判断することをおすすめします。
チェックリストはどのように作ればよいですか?
A. 確認する順番どおりに項目を並べ、事実に関わる確認を先に、表現や体裁の確認をあとに回す形にすると、担当者が変わっても同じ手順で確認できます。確認した内容を記録に残しておくと、リスト自体の見直しにも役立ちます。
AIをどの業務から取り入れるか迷っている場合は中小企業がAIツール導入で失敗しないための最初の一歩、打ち合わせ議事録の整理についてはAIで打ち合わせ議事録を整理し、次のアクションにつなげるプロンプト活用法、お客様への返信文づくりについてはChatGPTで接客・問い合わせ返信文の質を高める作り方とコツ、販促・SNS広告素材の作成についてはAI画像生成でつくる販促・SNS広告素材の作り方で、それぞれ具体的な活用方法を紹介しています。
AIを活用した情報発信の体制づくりも、CROSS PEAKSにご相談ください
私たちCROSS PEAKSでは、大阪エリアを中心にホームページ制作・MEO対策・LINE公式アカウント運用を通じて、生成AIを取り入れた情報発信の質と確認体制の両立を支援しています。AIをどう取り入れ、どう確認すればよいか迷っている場合も、現状をお聞かせいただければ具体的な進め方をご提案します。