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SEO対策読了目安: 12分執筆:藤村 慎也(代表)

複数事業ホームページの構成を整える考え方

複数事業ホームページの構成を整える考え方

複数事業ホームページを運営されている企業様や、多店舗で集客されている経営者様から、「今のホームページ一つで足りるのか、事業ごとに分けたほうがいいのか」というご相談をいただくことがあります。事業を一つ増やしたとき、今あるホームページにそのまま情報を追加していく会社様は多いのではないでしょうか。最初は一つの事業のために作ったサイトに、新しい事業の説明ページを後から足していくうちに、どのページが誰向けなのか分かりにくくなっていくことがあります。

本記事では、複数事業・多店舗を一つのサイトでどう見せるかという情報設計の考え方と、サイトを分けるべきかまとめるべきかの判断基準を解説します。

この記事の要点

  • 複数事業・多店舗を一つのホームページにまとめる場合、事業を追加するたびにページを積み重ねるのではなく、ナビゲーション構造そのものを事業ごとに整理する必要があります
  • サイトを一つにまとめるか分けるかは、事業間の関連性・ターゲット層の重なり・運用体制の3点で判断します
  • 既存ページのURL構造を変える場合は、リダイレクト設計を誤ると検索エンジンからの評価を失うため、情報設計とあわせて必ず検討します

複数事業ホームページでよくある分かりにくさ

複数事業・多店舗のホームページで最も多いのは、「訪問者が自分に関係する情報をすぐに見つけられない」状態です。事業を一つ増やすたびにトップページへリンクを足していくと、最初の事業のために作られたナビゲーション構造の中に、後から来た事業の情報が窮屈に押し込まれてしまいます。

訪問者が自分に関係する事業を探せない

検索やSNSから訪れた人は、自分の目的に関係するページまで最短でたどり着けるかどうかで、そのまま読み進めるか離脱するかを決めます。グローバルナビゲーションに事業名が並んでいても、それぞれの事業がどんな人向けなのかが一目で分からなければ、訪問者はクリックする前に迷ってしまいます。

検索エンジンにどの事業が専門分野か伝わりにくい

人にとって分かりにくい構成は、検索エンジンにとっても評価しにくい構成になりがちです。一つのページの中に関連性の低い複数の事業の説明が混在していると、そのページが何の専門ページなのかを検索エンジンが判断しづらくなります。

なぜこうなるのか(構造的な原因)

多くの場合、事業を増やすたびにページを一枚追加しているだけで、サイト全体のナビゲーション構造を見直していないことが原因です。最初の事業だけを想定して作られた構成に、性質の異なる事業を後から当てはめようとすると、どこかで無理が生じます。

Google自身も、サイト内のページ数が増えた場合の構成について、公式のSEOスタートガイドで次のように述べています。「サイト内に数千以上のURLがある場合、ディレクトリ(フォルダ)を使って似たトピックをグループ化することで、Googleがそのディレクトリ内のURLの更新頻度を学習しやすくなる」とされています(Google検索センター SEOスタートガイドより)。この指摘は大規模サイトを想定したものですが、「似たトピックをまとめて扱う」という考え方自体は、事業数が少ない中小企業のサイトでも参考になります。

サイトを一つにまとめるか、分けるかの判断基準

複数事業・多店舗のサイトを一つにまとめるべきか、事業ごとに別サイトへ分けるべきかは、次の4つの観点で判断します。

判断材料一つのサイトにまとめる方が合う場合サイトを分けたほうが合う場合
事業間の関連性事業同士がサービスとして関連し合い、同じ窓口から案内できる事業の性質がまったく異なり、対象者や許認可も別
ターゲット層同じ層が複数の事業に関心を持つ事業ごとにまったく違う層が検索してくる
運用体制更新担当が一人または一つのチームでまとめて管理できる事業ごとに別の担当者・別の制作会社が運用する
ブランドの見せ方すべての事業を同じ会社の取り組みとして見せたい事業ごとに独立したブランドとして見せたい

中小企業・個人事業主の現場でよくあるのは、「事業の内容は別だが、運営している会社としての信頼は一つにまとめて見せたい」というケースです。このケースでは、サイトそのものは一つにまとめつつ、ページ構成を事業ごとにしっかり分ける設計が現実的な選択肢になります。判断に迷う場合は、ホームページ制作会社の選び方で失敗しないための比較ポイントも参考にしてください。

一つのサイトでも分かりやすく見せる構成の型

一つのサイトの中で複数事業・多店舗を分かりやすく見せる構成には、主に次の3つの型があります。

入口分岐型:トップページで事業を選んでもらう

トップページの目立つ位置で「どの事業をご覧になりたいですか」と選んでもらい、その先は事業ごとに独立したページ群へ進む構成です。会社としての窓口は一つにまとめつつ、選んだ後の体験は事業ごとに完結させられるため、事業間の関連性が低い場合に向いています。

複数の事業名が並んで掲示された建物入口の案内板

共通軸型:会社の信頼情報は共通にし、事業ごとに切り替える

会社概要・代表者紹介・採用情報など、どの事業にも共通する「会社としての信頼情報」は一つのページにまとめ、サービス内容・事例・料金といった事業固有の情報だけを事業ごとに切り替える構成です。事業間でターゲット層が重なる場合や、会社としての実績を一括して見せたい場合に向いています。

独立型:事業ごとにページ群そのものを分ける

サイトの運営者は一つでも、事業ごとに対象者が異なり、事業特有の法令対応や必須の情報公開が必要な場合は、ページ構成そのものを事業単位で独立させたほうが、情報の抜け漏れを防ぎやすくなります。

実際の改善事例

かつて私たちが支援した福祉・介護の会社様でも、訪問介護とトイレクリーニング業という性質の異なる2つの事業を、一つのサイトの中で運営されていました。訪問介護は介護保険制度に基づく利用者・家族向けの情報、トイレクリーニング業は一般の施設向けの情報と、対象者も必要な情報もまったく異なる事業です。

このケースでは、ページ構成を事業ごとに完全に独立させ、介護保険制度上必須となる運営規程・重要事項説明書などの法定情報公開を、標準の機能として組み込んだサイトを構築しました。会社としての窓口は一つにまとめながら、訪問者がどちらの事業に関係する人かを最初に選べる構成にしています(このケースは構築フェーズのみのご契約のため、運用面での成果は今後反映する予定です)。

事業ごとに分けられた資料フォルダを並べ替える手元

構成を変えるときに注意したいこと

既存ページのURLを変える場合はリダイレクト設計が必須

事業ごとにページ構成を整理し直す際、既存のURLがそのまま使えないケースがあります。URLを変更する場合は、旧URLから新URLへの301リダイレクトを設計しないと、それまで検索エンジンから得ていた評価が引き継がれず、アクセスが減ってしまうことがあります。構成の見直しは、必ずリダイレクト設計とあわせて検討してください。

ナビゲーションを増やしすぎない

事業が増えるたびにグローバルナビゲーションの項目を一つずつ足していくと、最終的に項目数が多くなりすぎて、訪問者がどこを見ればよいか分からなくなります。事業数が多い場合は、ナビゲーションの項目は事業の分類単位でまとめ、個別の事業ページへはその中から選んでもらう階層構造にすることをおすすめします。構成の見直しをリニューアルとして進める場合、どのくらいの期間がかかるかはホームページ制作にかかる期間はどれくらい?工程ごとの目安を解説も参考になります。

まとめ:複数事業・多店舗のホームページ構成のポイント

  • 複数事業・多店舗のホームページでよくある分かりにくさは、事業を追加するたびにページだけを積み重ね、ナビゲーション構造を見直していないことが原因です
  • サイトを一つにまとめるか分けるかは、事業間の関連性・ターゲット層の重なり・運用体制で判断します
  • 構成を見直す際は、入口分岐型・共通軸型・独立型のいずれかの型を参考に、既存URLのリダイレクト設計もあわせて検討します

複数事業・多店舗のホームページは、情報設計を一度整理し直すだけで、訪問者にとっての分かりやすさも検索エンジンからの評価も変わってきます。事業を増やすタイミングは、構成そのものを見直す良い機会と言えるでしょう。

よくある質問

複数事業のホームページは、必ず事業ごとに分けるべきですか?

A. 必ず分ける必要はありません。事業間の関連性が高く、ターゲット層も重なっている場合は、一つのサイトの中でページ構成を事業ごとに整理する方法で十分対応できます。事業の性質がまったく異なり、運用担当者も別々になる場合は、サイトを分けたほうが管理しやすくなります。

サイトを分けずにページ構成だけ見直すことはできますか?

A. できます。ドメインやサイト自体はそのままに、トップページのナビゲーションと、事業ごとのページ群の階層構造だけを見直す方法です。既存のURLを維持できる範囲であれば、リダイレクト設計の手間も少なく済みます。

構成を見直すとき、既存ページのURLは変えたほうがいいですか?

A. 変える必要がない場合は、無理に変えないことをおすすめします。URLを変更すると301リダイレクトの設計が必要になり、設計を誤ると検索エンジンからの評価が引き継がれずアクセスが減る可能性があります。URLを維持したままナビゲーションや階層構造だけを見直す方法も検討してください。

多店舗の場合も、同じ考え方で構成を整理できますか?

A. はい。多店舗の場合も、店舗ごとに対象エリア・対象者が異なるのであれば、事業ごとの構成と同じように、店舗ごとにページ群を整理し、訪問者が自分の近くの店舗情報へ最短でたどり着ける構成にすることが基本になります。なお、Googleビジネスプロフィールを店舗ごとに運用している場合は、複数店舗のGoogleビジネスプロフィールをまとめて管理する方法もあわせて確認してみてください。


複数事業・多店舗のホームページ構成にお悩みの方へ

CROSS PEAKSでは、複数事業・多店舗を運営する企業様のホームページ制作・リニューアルについて、情報設計の見直しからご相談を受け付けています。今のサイト構成で分かりにくさを感じている場合は、まずは現状の構成を一緒に確認してみませんか。

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