「以前よりホームページ経由の問い合わせが減った気がする」「検索順位は保っているはずなのに、以前ほど効果を感じない」——リニューアルを検討している経営者の方から、こうした声を聞く機会が増えています。背景には、GoogleのAI Overviews(検索結果に表示される生成AIの要約)やChatGPT検索など、検索そのものの仕組みがここ数年で大きく変わったことがあります。従来のSEO(検索エンジン最適化)が前提としていた「順位を上げれば見てもらえる」という構造は、AI検索時代SEO変化の影響で通用しにくくなりつつあるのです。本記事では、検索行動とSEOの評価基準がどのように変化してきたのかを整理し、リニューアルを検討する中小企業が押さえておきたい視点を解説します。すぐに実践できる対策項目は関連記事のチェックリストにまとめていますので、まずは変化の全体像をつかんでいただければと思います。
AI検索時代SEO変化の要点整理
- AI Overviews・AI Mode・ChatGPT検索など生成AI型の検索の普及で、検索結果の見え方と検索行動そのものが変化しています
- Googleは公式に、AI Overviews専用の特別な対策は無く、生成AI機能は通常の検索ランキング・品質システムを土台にしていると説明しています(構造化データは必須ではないがSEO全体の一部として推奨)
- リニューアルは専門性・実績の伝え方や構造化データの整備を見直す好機で、具体的な実践項目は関連記事のチェックリストで確認できます
検索の景色は数年でどう変わったのか?
検索結果に生成AIの回答が表示される機会は、この1〜2年で急速に増えています。まず、実際にどれくらいの規模で検索行動が変わっているのかを押さえておきましょう。
GoogleのAI OverviewsとAI Modeの広がり
Googleは2026年6月、検索結果の上部に生成AIの要約を表示する「AI Overviews」の月間利用者が25億人を超え、対話形式でより深く検索できる「AI Mode」も月間10億人を超えたと公式に発表しました。あわせて、サイト運営者向けの解析ツールであるSearch Consoleに、生成AI機能の中で自社サイトがどれくらい表示されているかを確認できる新しいレポートを追加したことも明らかにしています。検索結果を開いたときに、青いリンクの一覧より先に生成AIの要約が目に入るという体験は、すでに珍しいものではなくなりつつあります。
ChatGPT検索など生成AI型の検索サービスの普及
変化はGoogleだけにとどまりません。OpenAIは2024年、ChatGPTにリアルタイムのWeb検索機能「ChatGPT検索」を追加し、同年12月には無料ユーザーにも開放しました。ChatGPT検索は、回答の根拠となった情報源へのリンクを示しながら、対話を重ねて情報を絞り込んでいける点が特徴です。PerplexityやGeminiなど他の生成AIサービスも同様に、検索と対話を組み合わせた回答スタイルを採用しており、「検索窓にキーワードを打ち込み、リンクの一覧から選ぶ」という従来の検索行動そのものが少しずつ変化してきています。

AI検索時代SEO変化の背景:評価基準は何が変わったのか?
検索エンジンの評価基準は、ある日突然入れ替わったわけではありません。ただし、AI検索の普及によって「どんなコンテンツが評価されやすいか」という力点は明確にシフトしています。
「順位を上げる」から「AIに引用される」への軸の移動
従来のSEOは、特定のキーワードで検索結果の上位に表示されることを主な目標としてきました。一方でAI Overviewsやチャット型の検索では、複数の情報源から要約を作り、その根拠として一部のページが引用されるという形で情報が提示されます。Googleは公式のガイダンスで、AI Overviews向けに特別なマークアップは存在せず、生成AI機能は通常の検索ランキング・品質システムを土台にしていると説明しています。構造化データについては「必須ではないが、SEO全体の一部として引き続き使うのがよい」とされています。評価の物差し自体がすべて入れ替わったわけではなく、「引用に値する情報源かどうか」という見られ方が新たに加わったと捉えるのが実情に近いと言えます。
Helpful Content SystemとE-E-A-Tの重みが増している
Googleは2024年3月、それまで独立した仕組みだった「有用なコンテンツを評価するシステム(Helpful Content System)」をコアランキングシステムに統合したと発表しました。これにより、経験・専門性・権威性・信頼性を示すE-E-A-Tという評価軸は、一時的な施策ではなく通常のランキング判断に常時組み込まれた状態になっています。中小企業のホームページで言えば、「誰が、どんな経験・実績に基づいてこの情報を書いているか」が伝わっているかどうかが、以前より明確に評価に関わるようになったということです。
従来のSEOとAI検索時代で加わった視点の比較
| 観点 | 従来のSEOで重視されたこと | AI検索時代に加わった視点 |
|---|---|---|
| 目標 | 特定キーワードでの上位表示 | AIの回答内で引用・言及されること |
| コンテンツの単位 | ページ単位での評価 | ページ内の一部(段落・見出し)が引用対象になる |
| 信頼性の示し方 | 被リンク数など外部評価が中心 | 誰が書いたか・実績や経験の明記(E-E-A-T) |
| 情報の構造 | 見出しとキーワード配置が中心 | FAQ・定義文・構造化データ(JSON-LD等)による機械可読性 |
中小企業の集客に何が起きているのか?
検索結果でAIの要約を見て満足し、そのままサイトを訪れない「見るだけ」のユーザーが増えている一方、AIの回答に引用されることで、クリックされなくても認知や信頼につながる場面も出てきています。
クリックされなくても「見られる」時代に
海外の調査データでは、AI Overviewsが表示される検索でクリック率が一時的に大きく下がった時期があったと報告されています。裏を返せば、検索結果の上位に表示されているだけでは、以前ほど確実にサイトへの訪問につながらなくなってきているということです。中小企業にとっては、「順位は落ちていないのに問い合わせが減った」という感覚の一因が、こうした見られ方の変化にある可能性があります。
弊社の取り組みと支援事例から見えること
私たちCROSS PEAKS自身も、自社ブログの記事に手書きのFAQ形式の構造化データ(JSON-LD)を組み込み、よくある質問とその回答を機械にも読み取りやすい形で示す運用を続けています。これは、AIが情報を引用する際の手がかりを増やすための実務対応の一つです。また、私たちがこれまで手掛けてきた制作実績を振り返ると、およそ4割は「既存サイトの内容はあるのに、専門性や信頼感が十分に伝わっていない」ことがリニューアルのきっかけになっていました。不動産業のセンチュリー21ウエストエリア様では、総合的な不動産サイトでは相続専門という強みが伝わりにくいという課題に対し、専門特化のランディングページを制作したことで、継続的な問い合わせ獲得につながる導線を構築しています。AI検索時代の評価軸で見ても、「何を専門にしている会社か」を明確に伝えるページ設計は、そのままE-E-A-Tを高める取り組みと重なります。

リニューアルを検討するなら、どこから見直すとよいか?
AI検索時代の評価軸を意識したリニューアルは、デザインを一新するだけでなく「何を、誰に向けて、どんな根拠とともに伝えるか」を整理し直す作業と言えます。
リニューアルのタイミングは、こうした評価基準の変化に合わせてサイトの土台を見直す良い機会です。具体的にどんな項目を整えるとよいか(構造化データの実装・FAQ形式の整備・事実の明記など)は、以前公開したChatGPT検索やAI Overviewsで自社が紹介されるための対策で実践チェックリストとしてまとめていますので、あわせてご覧ください。また、AIO・LLMO・GEOといった用語の違いを整理したい方はAIO・LLMO・GEOとは?中小企業が知っておきたいAI検索対策の基礎知識も参考になります。リニューアル時の制作会社選びの基準についてはリニューアルで失敗しないための業者選びチェックリストでも解説していますので、あわせてご確認ください。いずれの取り組みも一度整えて終わりではなく、AI検索の仕組み自体が今後も変化していく前提で、継続的に見直していく姿勢が求められます。
自社ブログでの実測:順位を維持していても、表示される機会は目減りする
「検索順位は保っているはずなのに、以前ほど効果を感じない」という冒頭の声について、私たちCROSS PEAKS自身も自社ブログの検索データを分析する中で近い現象を確認しています。2026年8月にGoogle Search Consoleのデータを集計したところ、公開した記事は初回の露出を終えたあと、およそ3週間で1記事1日あたりの表示回数が当初の約5分の1まで下がっていく傾向が見られました。サイト全体の表示回数はこの期間むしろ増えていたため、個別記事の評価が下がったというより、検索結果内での見え方の入れ替わりが速くなっている可能性があると捉えています。あわせて、検索結果の10位以下に表示された分については、表示回数280に対しクリックが1件も発生していなかったことも分かりました。
この実測を受けて、私たちは新規記事を増やすだけでなく、公開済みの記事に新しい一次情報を追記して内容を底上げする運用に切り替えました。本記事も、公開後にその一環として内容を追記しています。順位や表示回数を一度整えて終わりにせず、定期的にデータを見直しながら書き直していくこと自体が、検索結果の見え方が変わり続ける今の時代における現実的な対応の一つだと考えています。
まとめ:この記事のポイント
- AI Overviews・AI Mode・ChatGPT検索の普及で、検索結果の見え方と検索行動そのものが変化しています
- Googleは生成AI機能も通常の検索ランキング・品質システムを土台にしていると説明しており、高品質なコンテンツづくりの重要性は変わりません
- リニューアルは専門性・実績の伝え方を見直す好機で、実践項目は関連記事で確認できます
検索の仕組みが変わっても、「読者や顧客にとって役立つ情報を、根拠とともにわかりやすく伝える」という基本は変わりません。まずは自社のホームページが今、専門性や実績を正しく伝えられているかを見直すところから始めてみてください。
よくある質問
AI検索対策とは、これまでのSEO対策と何が違うのですか?
A. 従来のSEOは検索結果での上位表示を主な目標としてきましたが、AI検索対策(AIO)では、AIの回答内で自社の情報が正しく引用・言及されることもあわせて目指します。Googleは公式に、AI Overviews向けの特別なマークアップは無く、生成AI機能は通常の検索ランキング・品質システムを土台にしていると説明しています。構造化データは必須ではないものの、SEO全体の一部として引き続き使うことが推奨されています。
ホームページのアクセス数が変わらないのに問い合わせが減っているのは、AI検索の影響ですか?
A. 可能性の一つとして考えられます。検索結果でAIの要約を見て満足し、サイトを訪問しないユーザーが増えている傾向が報告されており、順位やアクセス数だけでは見えにくい変化が起きている場合があります。断定はできないため、Search Consoleの表示回数やクリック率もあわせて確認することをおすすめします。
AI検索対策として、リニューアルでは何から始めればよいですか?
A. まずは自社の専門性や実績、他社との違いが文章として明確に書かれているかを見直すことから始めるのがおすすめです。具体的な実践項目(構造化データの実装・FAQ形式の整備など)は、実践チェックリストの記事で詳しく解説しています。
構造化データ(JSON-LD)は自社でも実装できますか?
A. WordPressなど多くのCMSでは、プラグインや手動でのHTML追加によって構造化データを実装できます。私たちCROSS PEAKS自身も、自社ブログのFAQセクションに手書きのJSON-LDを組み込んで運用しています。専門的な知識が必要な部分もあるため、制作会社に相談しながら進める方法もあります。
AI検索の仕組みは今後も変わりますか?
A. 変わる可能性が高いと考えられます。AI検索に関する各社の機能や仕様は本記事の確認時点(2026年8月)でも更新が続いており、内容が今後の発表によって変わることもあります。定期的に公式発表を確認しながら対応していくことをおすすめします。
AI検索時代に対応したリニューアルをご相談ください
CROSS PEAKSでは、大阪エリアを中心にホームページ制作・リニューアルと、SEO・AI検索対策(AIO)を組み合わせたご支援を行っています。専門性や実績の伝え方、構造化データの整備まで含めたご相談を承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

